第8 被告人の弁解
1 被告人の弁解の検討場所
被告人の弁解は,間接事実の総合の後で検討する。それ以前には検討しない。むしろ,完全無視。 2 被告人の弁解の働き方
消極方向でのみ働く。
間接事実によって,合理的な疑いを超えた認定が可能であることを前提にして,被告人の弁解によって,それが覆るかどうか,を判断する。
間接事実によっては合理的な疑いを超えた認定は不可能だが,被告人の弁解によって合理的な疑いを超えた認定が可能になる,ということは,あり得ない。
3 被告人の弁解の検討の留意点
(1)間接事実の重要部分に関係するところについてのみ,判断すればよい。
(2)藤井論文の指標の中では,③証拠の裏付けを活用する。
(3)むやみやたらに不合理である,とはいわない。((1)と重なるが,)推認のプロセスと関係ないところを不合理と行ったって,仕方ない。